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在郷軍人病って?~水まわりのエアロゾルに要注意~

 こんにちは。今回は引き続きレジオネラに纏わるお話です。


 微生物の名前は変わったものが多いですが、何らかの意味があります。レジオネラ症は「在郷軍人病」ともいわれます。在郷軍人……耳慣れない言葉ですね。コトバンクによると「一般に現役として軍に属していない軍人。予備役、後備役、帰休兵、退役軍人」などだそうです。在郷軍人病は、1976年に米国ペンシルバニア州で開催された在郷軍人大会(legionnaire)で集団肺炎が発生したことに由来しています。この集団発症の原因菌が「レジオネラ」です。


 日本では、2007~2016年10年間で1万人以上の患者、200人弱の死者が報告されています。すでに「たいした菌ではない」という認識が大きく誤っていることがわかります。ちなみに患者の平均年齢は男性60歳以上、女性70歳以上と高齢者が多く、患者の9割近くは男性が占めています。

 レジオネラ症は水系を感染源とする事例の報告が多く、例えばシャワーや浴槽水、冷却塔水をはじめ、水溜まり、修景水、土壌などが報告されています。浴槽を原因とする感染や死亡例は決して少なくありません(※)。最近は加湿器が関与する事例も増えており、少数ですが死者も報告されています。海外に目を向けると、公園の噴水やミスト散水、洗車装置、見本市で実機展示した浴槽なんて事例もあるそうです。とにかく水まわりは要注意ということですね。


 新型コロナで長期閉鎖していた施設が再開する際、厚生労働省からは「再開時はレジオネラが増殖している可能性に注意すること」といった注意喚起も発出されていました。


 レジオネラ対策では「どこにでもいるから、正しく管理すべき」という認識が必要です。


※参考資料


ATP・迅速検査研究会 理事

元月刊HACCP副編集長・元月刊フードケミカル副編集長

立石 亘


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